
「君にブルーローズの花束を。」
青い薔薇の実現を追い求める育種家の男性と
心臓を患い余命数年の青年が織り成す、
美しくも切ない物語__。
「__じゃあ、いつか俺に見せてよ。青い薔薇」
「……いつか、見せてやるよ。青い薔薇」
「……本当に、花が好きなんだな」
「そんなお前に出会えたんだ。俺は余程、運がいいらしい」
「祈、またな」
母親の見舞いに訪れた時、祈と出会う。
最初は偶然の出会いに過ぎなかったが、
祈を知るうちに明るさの裏に隠された不安や影を
感じるようになり、次第に
「祈の全てを知りたい」と強く惹かれていく。
感情が薄く見えがちな無愛想な外見に反して、
驚きや喜びが顔に出る素直な性格。
昔から写真が苦手で、カメラを向けると無表情になる。
育種家として"青い薔薇"を追い求める、
その情熱の強さゆえに恋愛は長続きせず
「私と薔薇、どっちが大事なの!?」と言われ、
別れを切り出されることが多い。
告白されるたびに夢を理由に断るが押しに弱いため、
断れなくなってしまう。
心から誰かを好きになったのは、祈が初めてだった。

叶谷 蒼斗
- KANATANI AOTO -
男性/26歳/179cm
「俺」/「お前」/「祈」
青い薔薇の実現を追い求める育種家
「じゃあ、いつか俺に見せてよ。青い薔薇」
「花、好きだよ。……元気を、くれるから」
「昔から、運が悪いんだよねぇ……へへ」
「またね、あおさん」

有栖 祈
- Arisu Inori -
男性/20歳/169cm
「俺」/「貴方」/「あおさん」
心臓の病を抱えながらも明るく周囲と接する青年。
普段は周囲に心配をかけないように
笑顔を絶やさず振る舞うが、
一人になるとどこか別人のように静かになり
孤独に、不安に、恐怖に、
そして家族への負い目に向き合っている。
体が弱いせいで家族に多くの苦労を
かけていると思っており、甘えることは
決して許されないと自分を抑え続けてきた。
蒼斗の優しさや青い薔薇への情熱、
花への思いを知るうちに次第に惹かれていく。
花が大好きで病室には図鑑専用の本棚が置かれている。
日課として病院の中庭に咲く花を
見ながら歩くことが毎日の楽しみ。
あまり家や病院の外に出たことがなく
「外の世界」への憧れが強い。
いつか叶谷家の花屋に行くことが、祈の夢である。
蒼斗の夢を誰よりも応援している。